フランス語のetの読み方や意味・使い方を例文解説!文頭に来るとどうなる?

絶対に知っておきたいフランス語【et】 フランス語の習い始めには、そもそも読み方すらわからずに苦戦する方も多いです。   実はこの言葉、文頭に来ると、意味が変わるなど、なかなかに厄介な言葉。 今回は、フランス語 […]

絶対に知っておきたいフランス語【et】

フランス語の習い始めには、そもそも読み方すらわからずに苦戦する方も多いです。

 

実はこの言葉、文頭に来ると、意味が変わるなど、なかなかに厄介な言葉。

今回は、フランス語の基本用語の一つ【et】の意味や使い方を掘り下げます。

記事は下に続きます。

etの読み方と雑学エトセトラ

フランス語のetは、もちろん読みはイーティーではありません(笑)

 

これで「エ」と読みます。

意味は英語のandとほぼ同じです。

 

「など」という意味の etc. という単語がありますが、実はフランス語のet はこのetc.のetと同じなのです。

etc.は「エトセトラ」と読みますが、なぜかと言うと、これはラテン語のet cetera から来ているからです。

 

このetがフランス語のet の先祖で、意味は今と同じくand です。

et ceteraは英語で言えば、and othersという意味です。

 

フランス語はラテン語の子孫なので、もともとのラテン語の単語がほぼそのまま残っている単語がいくつかおり、etもそのひとつです。

ただし、フランス語では語末のtは発音されないので発音は「エ」になります。

 

ちなみに、etc.で最後にピリオドが付きますが、これはもともと、ceteraのcから後の部分を省略したからです。

New York をN.Y. と略すことがありますが、同じ理屈です。

 

そして、et c. ではわかりにくいので合体してetc.という一語になったわけです。

etの使い方を例文で解説

et を用いた例としては、例えば

 

Le Rouge et le Noir (ル・ルージュ・エ・ル・ノワール)

 

はスタンダールの小説『赤と黒』の原題です。

 

意味は「赤と黒」。文字通り、et は and の意味です。

なお、le はフランス語の(男性名詞に付く)定冠詞です。

 

ちなみに、この赤と黒は軍服の色(赤)と聖職者の服の色(黒)を表しているとも、ルーレットの盤の色を表しているとも言われています。

 

リタ

J’aime les oranges et les pommes.

「私はオレンジとリンゴが好きです」

 

も同じように and の意味です。

なお、les はフランス語の(複数名詞に付く)定冠詞です。

 

赤と黒の例でもそうですが、フランス語では、定冠詞が多く使われます。

「赤と黒」も英語では”Red and Black“と言うのが普通でしょうし、「私はオレンジとリンゴが好きです」も ”I like oranges and apples.” と言うでしょう。

 

”I like the oranges and the apples.”では、「私はそのオレンジとそのリンゴが好きです」という意味になってしまいます。

しかし、フランス語では、単純に「私はオレンジとリンゴが好きです」と言いたい場合も定冠詞を付けます。

 

リタ

Ensuite ils ne peuvent plus bouger et ils dorment pendant les six mois de leur digestion.

「それから彼らは動けなくなり、そして、消化のために6ヶ月間眠る」

 

 

英語の and 同様、文と文をつなぐときにもetは使われます。

これは『星の王子様』の中の一文ですが、前段と後段をつなぐ接続詞です。

etが文頭に来るとどういう意味になる?

リタ

Et tu n’as rien fait pour l’aider ? (エ・チュ・ナ・リアン・フェ・プル・レデ)

「それで、君は彼を助けるために何もしなかったの?」

ここでは冒頭に et が来ていますが、「それで」という意味です。

 

話の流れを受けて漠然と状況を表しているという感じでしょうか。

また、英語でも、

 

  • How are you?
  • Fine, thank you. And you?

 

と言ったりしますが、このAnd you?に相当するのがet toi?とet vous? です。

et toi?とet vous?の意味の違い

「えっ、なぜ、2種類あるの?」と思ったあなたは鋭いですね!

実はフランス語では、2人称に2種類あるのです。

 

ひとつは先ほどの

 

Et tu n’as rien fait pour l’aider ? (エ・チュ・ナ・リアン・フェ・プル・レデ)

 

にも登場した tuです。

もうひとつはvous です。

 

  • tu は目下や親しい仲で使い
  • vous は丁寧な間柄

 

で使います。

ですが、et tu? ではなくet toi? ですよね。

 

これはフランス語には人称代名詞強勢形というものがあり、

 

  • je ⇒ moi
  • tu ⇒ toi
  • vous ⇒ vous

 

となるためです。

et の後では原則的にこの強勢形になります。

 

エリー

Je m’appelle Miki, et vous?

(私の名前は、ミキです。あなたは?)

自己紹介するときには、このように使いますね。

 

リタ

Bonjour Hitoshi! Ça va ?

(こんにちはヒトシ! 元気?)

ゆーだい

Oui, très bien merci. Et toi ?

(うん、すごく元気だよ。ありがとう、君は?)

良くある会話ですね。

ヒトシのセリフは、英語で言うところの「i’m fine thank you and you」のような感じです。

まとめ

今回は、フランス語のetの読み方や意味、使い方を掘り下げていきました。

 

Andというのはとても重要な単語ですよね。

それがフランス語では et だけで済んでしまいます。

 

発音は「エ」と超簡単。

使い方は英語に似ていますが、歴史のある単語です。